【偽りの果てに 連続婚活詐欺・不審死事件】(上)“名家育ち”破滅の人生 (産経新聞)

 ■埼玉不審死 殺人容疑で女逮捕

 □「温かい家庭」吹き飛んだ夢

 結婚詐欺などで逮捕された住所不定、無職、木島佳苗容疑者(35)の知人男性が相次いで不審死している事件で、埼玉県警は1日、不審死した1人の東京都千代田区の会社員、大出嘉之さん=当時(41)=を練炭自殺に見せかけて殺害した疑いが強まったとして、殺人容疑で木島容疑者を再逮捕した。木島容疑者の周辺では大出さんのほかに、千葉県野田市の安藤建三さん=当時(80)=ら少なくとも3人の男性が不審死しており、警察当局は全容解明を進める。

 東入間署捜査本部の調べでは、木島容疑者は平成21年8月5日夜、埼玉県富士見市の駐車場に駐車中のレンタカー車内で練炭を燃やし、大出さんを一酸化炭素中毒で殺害した疑いが持たれている。木島容疑者は容疑を否認しているという。

 大出さんは8月6日朝、車内で練炭の燃えかすとともに死亡しているのが見つかったが、車内に車の鍵がないなどの不審な点があった。また、大出さんの遺体から検出された睡眠導入剤の成分が、木島容疑者が処方されていた睡眠導入剤の成分と一致した。

 さいたま地検は1日、木島容疑者を大出さんへの約470万円の結婚詐欺の罪で追起訴した。

 北方領土・国後(くなしり)島が見える北海道別海(べっかい)町。殺人容疑で逮捕された木島佳苗容疑者(35)は、人口1万6千人の町で育った。

 郊外の幹線道路には「牛横断注意」の標識が立つのどかな酪農の街にあって、木島容疑者の一家は、「町の人間なら誰もが知っている」(地元の商店主)という“名家”だった。

 祖母は元町長の妹、祖父は町議会議長を3期にわたって務める一方、司法書士として事務所も構えていた。父親は行政書士で、母親はピアノ講師。

 周囲をシラカバに囲まれたしゃれた自宅にはピアノが置かれ、休日には室内からピアノの美しい旋律が流れていた。「父親はクラシック音楽が好きだったみたい。休日はパイプを燻(くゆ)らせながら散歩していた。“音楽一家”というイメージがあった」。隣に住んでいた女性(64)はこう証言する。

 4人きょうだいの長女として生まれた木島容疑者。近所の男性(67)は「両親は子供の教育に熱心だった」と話す。テレビは自宅に置かず、時間を決めて近所に住む祖父母宅に見に行かせていた。

 「“お姉さん的”というのかな」と印象を語るのは小中学校で同級生だった男性。「成績はよく、字は達筆で絵も上手。朝礼で賞状を受けることも1度や2度ではなかった」

 両親にとって自慢の娘だったようだ。近所の女性は、それを裏付ける会話を覚えていた。「母親は『ウチの子はクッキー作るのがうまいのよ』『ピアノが上手なのよ』とよく自慢していた」。ただ、こうも見えたという。「横で聞いてる佳苗ちゃんは、そう言われるのが嫌だったみたい」

 木島容疑者の中学の卒業文集には、こんな一節が記されている。

 「組織の中で部品化しているような大人達に、善人顔して、教育という名の嘘(うそ)を教えられているようで耐えられなかった」「大人の世界はいろいろ難しいみたいだから、勉強しなくちゃいけないな」

 実際に、中学に入ったころから木島容疑者の行動には、周囲が首をかしげるものがあったという。

 「小学6年生で学校に化粧道具を持ってきたり、口臭スプレーを使ったり、プライドが高いというか、大人ぶっている感じがした」と同級生の男性。「何でも買ってくれた。その金は、年上の男性からもらっているんじゃないかという噂(うわさ)があった」と振り返る。

 “名家の娘”らしからぬ不可解な行動は地元高校を卒業してからも続く。就職先は大手ファストフード会社としていたが、同社は「勤務実態はない」と説明。卒業の3年後に入学した関東の大学は、1年後に学費未納で退学になった。

 平成15年にはネットのオークションサイトでパソコン売買の偽の告知を出し、10万円をだまし取ったとして、詐欺容疑で逮捕された。

 木島容疑者は高校の卒業アルバムに、幸せな結婚生活を望むこんな文章を載せていた。

 「温かい家庭を築くのが夢です。専業主婦になって、だんな様に尽くす素敵(すてき)な奥さんになるんだもん」

 自分の娘を通じ、木島容疑者を見てきたという女性は、事件が信じられないと言いつつ、こうつぶやいた。「“名家”ではあったけど、温かい家庭には見えなかった。立派な家すぎて、佳苗ちゃんは居場所がなかったのかな。居場所を、探していたのかなあ」

 “名家”に育った木島容疑者。その周囲には数々の偽りがみえる。その軌跡と捜査の行方を追う。

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虚偽の申請で介護事業者指定取り消し―宮城(医療介護CBニュース)

 宮城県は2月4日、居宅サービス事業者などの指定を受けた際に虚偽の申請を行っていたとして、通所介護事業所などを運営する「株式会社白百合企画」(仙台市)の介護保険法に基づく事業者の指定を取り消すと発表した。取り消しは通所介護と介護予防通所介護で、いずれも28日付。同社は、訪問介護事業所と居宅介護支援事業所の運営は継続する。

 宮城県保健福祉部介護保険室によると、同社が運営する通所介護事業所「デイサービス向日葵」(同)は、昨年6月に居宅サービス事業者などの指定申請を行った際に、虚偽の労働条件通知書などを作成し、実際には雇用していない看護職員を機能訓練指導員として雇用しているように偽り、指定を受けた。
 また、昨年12月に県が監査を行った際には、機能訓練指導員の雇用の事実関係について、管理者が虚偽の答弁をしたという。


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